君たちが明日の光だ

好きなものが好き

丈くんはスーパーヒーローだって話

応援なんておこがましいくらい。キラッキラしながらキャッキャ笑うなにわ男子を見てこちらも笑っていた。
しがないオタクが丈さんを見ていたら、気づいたら転職したうえ正規職員になるまで漕ぎつけた。
ちょっと歳をとってからでも環境は変えられるし、そこまで動こうという気持ちを私の中に作るきっかけをくれた丈さんはすごい。


○今となっては下積みだと思うことにした前職
最初に就職した職場は学生の時にお世話になったことがあって、うわこんな風になりたい〜〜〜!!!って思った人がいたので募集が出ると知って絶対に受けると決めていた。丈くんにとっての横山さんに近い憧れがあった。(この時は丈くんの名前も存在もまったく知らない4回生だった。)他はまともに調べなかった。どうしてもそこに行きたかった。なんやかんやで非常にギリギリで非正規雇用、契約職員で採用された。
当初思っていた状態とは違ったけれど、一応念願叶ったはずだった。とにかくそこに就職したらなんとなく頑張れそうだなって、ぼんやりした浅はかな心意気で仕事を始めた。そしてよく言えば自由にやらせてくれて、これといった具体的な指導や教育はなかった。一通り進めるべき本当に最低限のことはもちろん指導していただいた。もちろん質問すれば教えてもらえたし、積極的にそうするべきだとも思った。ただ自分の性質として、これで良い、正しいとわかったことでないと自信を持って次に進めないタイプだなと今になってやっとわかったのだけど、なんとなく全て手探りで、これでいいのかな?と自分を疑い続けながら仕事をしていた気がする。直接相手に影響が出てしまう仕事だから、自分より上の人が担当した方が良い結果になるに決まってる、と消極的になっていたかもしれない。

                                                                                           
○少し風向きが変わった
その中でぽんっと振られた仕事があって、元ボスの名前を出されて指名されたのでやるしかなかった。元ボスが大好きだったので。(後になって上の人が断ったから私にお鉢がまわってきたことを知ったけどその時には手遅れである。)私1人でその仕事に携わらなくちゃいけなくて、なんとか必要な手続きを理解してもらおうと、なんとか与えられた役割を全うしようと頑張っていたつもりだった。プレゼンもしたし、資料も作ったし、結果が良かったことも1回や2回はあった。主導の部署ととにかく共通認識もリズムもシステム作りも、正直何ひとつうまくいかなかった。それでも本を買って研修に行って、それなのにいつまでも折り合いがいまひとつのままで、諸々この仕事がいちばんしんどかった。
そのうえで、契約なのにそんなに頑張ってどうすんの?とも思い始めた。いや普通、上がるために頑張れよってところなんだけど、次に誰かが辞めないと正規に上がれないことはわかっていた。一度正規雇用枠の試験があったけれど落ちた。入職順で上がって行ってた。私にもっと突出した能力だったり分野だったり業績だったりがあれば、万が一のことがあれば結果は変わっていたかもしれないので私の力不足でもあったのかなあ。出世したいわけでもお金がすべてとも思っていない。実際仕事の中身はお金のことを挟む余地がない状態で考えて取り組む。でも仕事に対する対価は賃金であるはず。しかも周りを見て比べ始めてしまったので質が悪かった。実際仕事量が目に見えては変わらないと思っていたのにどうしてこんなにしんどい思いしてるのに私は契約なのか?とアンバランスで歪んだ状況にしか感じられなくなってしまって、やりがい搾取では?と気持ちはどんどん低空飛行になった。そうなればプライベートを充実させるほうに注力するしかない。休みが自由にとりやすかったので、チケットがあれば好きな時に好きなだけ休んで現場に行った。非常にありがたかった。それがそこを離れられない唯一の理由だった。 



○丈くんがくれたひとつめの変化
別件で、特定の分野の資格取得を勧められた。メインの理由は仕事の割り振りバランスみたいなものだったけれど、自分のためにも、微力ながら職場の何やかんやのためにもなりそうだからと、試験を受けられるように下準備を始めた。入会手続きをしてお金を払うだけの簡単なお仕事。こだわりはなかったのでじゃあその分野に進もうかな、くらいのつもりだった。

2年後の試験。4月から少しずつ勉強を始めた。ところがどっこいリューン再演があり、気づいたら毎週劇場にいるような状態だった。リューンはとても良かった。話がそちらに流れてしまうから良かったとしか言えないけど、試験どころじゃなくてブログを書くほどリューンのことばかり考えていた。ロスに陥っているところで、試験が千秋楽の1週間後に迫っている現実に打ちのめされていた。でも試験というものはなにかと受験料が高いし、私は立場上合格しないとその受験料が職場から補助されないという条件だった。そもそも1泊2日の時間と労力をかけて不合格をとりにいくなんて許せないと思うタイプだったので、やるしかなかった。何よりも、リューンに通っていたから落ちたなんて言われたくなかったし、自分でもその時間に勉強していればって絶対思いたくなくて必死で毎日仕事の後に残って勉強した。高校、大学と受験を2回していたから試験の形式とゴールがわかっていればどの方法が自分にあうかはなんとなくわかっていたので最大限取り入れた。人生経験意外と役立つなって気づいた。そして丈くんの「なにわ男子の藤原丈一郎、舞台のリューン・フロー、SHOWROOMの海堂飛鳥、1日の中で3人の別人格を生きられるなんてことは滅多にないから今、ほんま最高に楽しいです!」って言葉を思い出して、丈くんのほうが100万倍しんどい中で頑張っとったわ!!!とペンを持ち続けることができた。
試験前日に会場で講義があって、その時には人が多すぎてばれないのをいいことにずっと丈くんの写真を忍ばせて講義を受けていた。わしゃ高校生か。新規ハイだったので許されたい。だって試験にはちゃんと一発合格した。受験料も後からもらえました丈くん本当にありがとう。丈くんのステフォ代になりました。この資格はもちろん仕事するうえで最低限のパスポートみたいなものにしかならないし、更新するためには勉強も続けないといけないので、必ず自分にとってプラスになるわけではない。新しいことに対応できるように常にブラッシュアップし続けないといけないのは丈くんと同じだなと腹をくくった。ただ、正解もゴールも明確なものがない仕事なので、自分の力でひとつの達成感を得られたという意味では嬉しいものだった。今後はこれも続けていこうかなと初めて思えた。たどり着けたのは丈くんのおかげ。丈くんに救われたひとつめの出来事。


○仕事やめてみることにした
きっかけは募集が出るみたいだよって現職の採用情報を教えてもらったことだった。職種は同じなのでためらう理由はみつからなかった。ただ環境を変えることに積極的でない性分なので、あまり真剣に考えていなかった。その中で例のしんどい仕事の件で納得できないことがまたあって、確か当時とても腹立たしくて悲しい気持ちになっていた気がする。いまとなってはあまりよく思い出せないけど、半分勢いにまかせて応募した。その少しあとくらいで体調を崩してというか、耳が聞こえづらくなった。ストレスとか寝不足とか言われて治療には通ってある程度まで良くなったら頭打ちぽくなった。唯一自分の良いところは聴力だったのに、なーんにもなくなっちゃったんだなと思った。この時期に青木さんがなかったらぽっきり心が折れていたのかもしれない。ちなみに劇場に行ったら本当に聞こえづらくて血の気が引いた。丈くんの声が聞こえないなんて耐えられないふざけんなとなぜか怖いを通り越して怒れてきたので通える限り治療に通った。
試験には合格したんだけど、その時期に受ける人なんて私しかいなかったらしい。耳のことがあって悩んだけど、先方に事情を話して少し考えて、結局新しい職場にお世話になることを決めた。たらればにはなるけど、もし丈くんを好きになっていなかったら、そのままずるずる前職に留まっていたような気がする。新しい仕事をしたいというよりは前職を離れたい気持ちが強いままだったので、マイナススタートの転職だった。体調が更に芳しくなくなったらどうしようと割と悩んだ。片や、丈くんがどんどん新しい仕事、新しい立ち位置、新しい力を手に入れていくところを見ていたから、ぬるま湯から出て自分も毎日一生懸命働くのもいいかもしれないと思ったのかなあ。治療に通って耳はほぼほぼ聞こえるようになったし、今となっては選択として大正解。
そもそもの話、契約が悪いとは思っていない。ただ私の労働条件は他所と比較しても職場内で比較しても比較しなくても、好条件とは思えなかった。自分で稼いで食べて丈くんのことにはためらわずお金を使いたかったから正規にこだわった。あの環境から逃げたとも言えるし、自分の能力を棚にあげて環境のせいにしたともとれるけれど、同意なしに休日に賃金の出ない時間を拘束され講演の一部を担う羽目になるような仕事はしたくなかったので逃げるが吉だったとしか思えない。



○正規職員になった
転職して半年経った頃に試験のお知らせがあった。私は前職で契約のままほぼ常勤の仕事をし続けるのが耐えられなくて転職しを決めて、毎回チャンスが巡ってくるとは限らないと身に染みていたので迷わずエントリーした。まずまずたくさんの人が受けていたので結果には期待せず、むしろ受からないと後がないというプレッシャーもなかったので外野が搔っ攫いにいくつもりで前のめりに受けた。

現職では自分が求められている役割とか達成すべきところとか、普段から多の中での位置を意識することが増えていた。上司の接し方や面談で意識させられる機会があったこと、新人ではないので半年での到達点はどこにすべきか探っていたことはもちろん、もうひとつはやっぱり丈くんのことだった。なにわ男子が前に、東に、全国に進出するにつれて、なにわの立ち位置や売り出し方、その中での丈くんの立場についての言及や丈くん本人の発言を目にすることが多くなったからだった。特にその前後の時期に目についていたのは関ジュの中で縦の継承を重視して後輩に指導をする丈くんだった。エイトやWETSからバトンを受け取って下へ引き継ぐと何度も口にしていた丈くんが、この時期に具体的になにわの年下組や関ジュの後輩に指導したりアドバイスしたり遊んであげたりしていることがよくわかった。りとるの公演のコント監修をしていたことは驚いたし、京セラで角くんがちびジュに声かけしていたことを嬉しがる姿や長尾くんの挨拶をほめていたことも芋づる式に思い出した。自分の与えてきてもらったものを自分だけのものにせず、下の子に自分なりに与えようとする丈くんはとってもとってもかっこよかった。そのうえで自分は更に前に上に、と走り続けていることもまぶしかった。前職についているときはそれがまぶしすぎて自分が余計つまらなく思えることも多かったけど、この時は私も丈くんに負けないように、もうひとつ自分で掴みたいな!と前のめりになれた。身を置く環境ってすごい。同じように丈くんを見ていても自分の感じ方も変わる。現職は周りに元来の能力が高いのに努力し続けている人ばかりなので、何でもやらなきゃ、という気持ちになりやすかった。

面接ではいろいろなタイプの質問をされて、そのたびに丈くんだったらどうするんだろうと考えながら答えた。(集団の中の順番が後半だったのでそんな余裕が持てた。笑)教育的なことは特に。丈くんは「ちびジュを叱るときは30秒以内」「これはあかん、わかった?」で終わる、良いところと直したほうがいいところを両方挙げる、というイメージだった。職種も立場も違うけれど、社会人として相手にあわせた接し方ができることと、嘘をつかず真摯にそのまんまの丈くんで相手に接しているであろうことを尊敬していた。丈くんはこうしていたなと思い浮かべながら、既卒なのでより具体的に、でも取り繕わず本当のことを、自分の貢献できることを過大評価せずそのまま伝えようと心がけて答えた。

誰も期待していなかった。私が合格した。社会人になって初めて誰かに認められた気がした。丈くん、やったよ。ありがとう。
正直いまだにどうしてなのかわからない。実績も残していないし要領がよいタイプでも人づきあいがうまいタイプでもないし優秀でもない。管理職が向いていそうでもない。だから、これは丈くんのおかげなのである。丈くんがもたらしてくれたハッピー。
そしてわからないからこそ、「役によってしゃべり方もトーンも立ち方も全然違うから、自分で成長できてるかっていう自覚はあんまりないな。評価は他人がすることやし、けどそのおかげでリューンや少年たちでも役をいただけたと思うから、そこは自信を持ってやりたいですけどね。」と話していた丈くんの言葉を忘れないように働こうと思う。

私は丈くんと違って毎回全く違うことをするわけではないので、ある程度やってきたことに対して自己評価をしながら、一般化していくことも必要になる仕事をしている。次に対応するときにはどうするべきか、これから対策を練ることも必要になる。既にひとつ対策構築と資料作りを任せられて一旦は形にしたのだけど、上司がヒントを示して導いてくれて、きちんと面倒を見つつここは自分でやってきなさいと最後は任せてくれた。次は私が最初から主導になる仕事もできて、いずれは指導してあげられる立場になれたらいいなとまで思えた。前職で絶望感しかなかったしんどい仕事の時とはまるで状況が違った。環境を変えたら人が変わって、自分にできることも自分の考え方感じ方もこんなに変わるんだって知らなかった。

今の職場では面倒を見てくれている人がたくさんいる。ほんのわずか、少しずつだけど私も指導する機会が与えられていて、やりがいのある仕事も頂いている。たくさんの人のおかげなのは前提として。丈くんのおかげで、ここまで環境も心持ちも変えることができた。納得できなかった環境を変える努力よりも、私は居場所を変えることを選んだ。私にとってはこの選択が正解だったと思うことができたから、これがいちばん良い結果のはず。丈くんがいたから頑張ることができた。数か月前の私を救ってくれた丈くんはスーパーヒーローです。


○丈くんへの拍手
将来の夢は?という質問に「死ぬ直前まで舞台に立って、拍手を浴びること!」そのためにも、必死に頑張り、実力をつけたいです。」と答えている誌面を見てから、私は会場に行ったら丈くんに毎回必死に拍手をおくっている。去年リューンや青木さんで書いたお手紙を見返していたら、会場中の拍手がひとつ残らず届きますようにって度々書いていた。手紙にまでそんなこと書くなんてエゴがすごい。舞台上で拍手を浴びて、一礼した後のお顔がとびきりキラキラしいていることを知ってしまったから、拍手はすべて届いてほしいと思ってしまう。まさかこの1年、舞台に立つ機会がこんな形で少なくなるなんて思わなかった。配信ライブでハッシュタグは見えても、歓声もペンライトも、何より拍手が届かない。どれだけ悲しかっただろうな。だから先日の青木さんレポで、拍手が気持ちいいから顔を上げない、と言った丈くんがいたこと、やっと拍手が届いたこと、本当に舞台の上で生きる人なんだってこと、元気でいてくれたこと、全部ないまぜで嬉しかった。私も手がじんじんするまで拍手をおくりたかった。誰より長く拍手していたかった。丈くんにとっての私は大多数の中の1で、むしろその事実さえ届かなくて、もちろんそれでいいので会場の中の一人として拍手をおくることくらい許されたい。それが唯一丈くんにお返しできることだから。本当はご縁があれば青木さん初日に行ってめいっぱい拍手したかった。ラッコさんの日にも東京楽にも行きたかったし、大阪の大千穐楽にも泣くほど行きたい。丈くんありがとうね~~~!!!素敵だよ~~~!!!をたくさん手に乗せて気兼ねなくそちらまでおくれる日が早くきますように。