君たちが明日の光だ

好きなものが好き

俺節@東京 大野さんの言葉とラスト

2017.6.8〜10


お友だちのおかげで観劇できた俺節

8日はマチソワのソワレ

9日はソワレだけ

10日はマチソワのマチネ


観る度に涙の出るタイミングが早まって

観る度に新たな発見があって

観る度にどのキャラクターも愛おしくなる

大切で大好きな舞台。


心のドアをノックどころか足で蹴破られて、

印象に残るシーンは全部。(アホ)

心を動かされたシーンは全部。(アホ)

もちろん緩急がしっかりあって、

しんどいけど笑いもたくさん。

涙もたくさん。

こんなにありがとうって思える舞台これからあるのかな。


だからとにかく思ったことブワー

すごい長さになったから第1弾

頭にこびりついた大野さんの言葉とラストシーンだけ。

セリフは忠実に覚えていたい派だし(無理だったけど)

自分の言葉で書いとくと後で見たときシーンが映像で浮かぶから。


いや。でも俺節は円盤化されるから心配しないで!!!(ただの希望的観測)(言霊)





●みれん横丁で会った大野さんとスナックで再び会うシーン


なんでいっつもオラの聴きたい歌がわかるんだ?弟子になります!!って土下座する。


おいおい!弟子にしてくださいは言われたことあるが弟子になりますってのは初めてだぞ?


師匠!師匠ではない!

師匠!師匠ではない!

師匠です師匠です師匠です!ではないではないではない!


師匠だって言ってるべ!!

大野さんを殴っちゃって

うわあ~ってなって後ろに走り抜けてひっこみ、走って出てきて歌い出す津軽海峡冬景色。


その歌を聴いた師匠が

「思いがうまく言葉にできなくて

   やっと喉から出てきたら

   歌になっちまったんだろ

   お前生きづらいだろそれじゃ」

「はい


ここまでのコージ見てたらへへって情けなく笑うと思ってたんだけど、はいって涙声で言うんだよね。歌しかないのに人前だとめぐせくて歌えない。言葉はうまく使えなくて話した後あたふたしてしまう。東京に来てうまくいってなくて苦しいと感じてたことも、それでも自分には歌しかないこともピタリ言い当てられて、はいって言えたのかなと思うと本当に師匠ありがとうという気持ちになる。あとこの生きづらいだろってセリフ原作になくて、俺節を好きだった学生の頃に福原監督が言われたって言葉。入れてあるってパンフに書いてて、ここぞというところに入ってて目頭押さえた。


給料はないぞ。はい!

何か聞かれるのは苦手だ余計な質問はするな。はい!

はい師匠!ってオキナワ参上。

コンビですって2人で弟子入りする。

階段を上る大野さんに師匠!って呼び止めるコージ。

フフッて笑いながらついてきなと歩き出す師匠の後を追い、オキナワのほう振り返りながら嬉しそうにするコージがかわいくてかわいくて。オキナワの「悪りぃけどつけといて!」に「奢ってやるよ!」って言ってくれたり、コージのこと後継ぎにしなって言ってくれたり、お店のお客もすっごく良い人。コージの歌がそうさせたのか、あまりにも不器用なコージが親心みたいなものをくすぐるのか、この時代のあったかみってこういうもよなのか。いずれにせよコージは恵まれてる。ありがとよ~ってサラッと言えるオキナワの要領の良さはコージが生きてくうえできっと大事な要素。




●ラストにつながる横丁のシーン



ここにいるよー!

へらへらしながらゴミ袋の中で寝ていたコージが突然起き上がる。


歌って、届かなかった。力不足。

もうさんざん歌ったからいいと。人生おしめえだと。


ここで「通用しなかった」とか「オラの歌わかるやつなんていねぇんだ」とかじゃなく、「届かなかった」に後から安田章大みをじわじわ感じてうるっとする。原作途中までしか見てないので元々なのかオリジナルのセリフなのかわからないけど、いつも 言うでも歌うでも伝えるでもなく届けるって言葉を選ぶ安田章大が好きなタイプなので。原作序盤で流しがうまくいかない時は、あの店ダメだ演歌なんかわかっちゃいねえのよってしょーもないこと言うんだもんコージ。真摯に向き合ってみたけどダメだったって打ちひしがれたんだなあって。


流しで食べていけず仕事を探しにきたはずの大野が口を開く。


俺は流しとして客のリクエストに応えられるようレパートリーは千曲以上ある。しかしそれは歌か?いや、歌じゃない。楽譜だなたぶん。それが俺の声になって初めて

陛下「歌になる!」

いや、歌じゃない。音になる。その音がお前の耳に届く。まだ歌じゃない。心に届く。惜しい!まだ歌じゃない。何十年か経ってそのメロディがふと誰かの頭に浮かんだ時、それが歌になる。お前が歌ってたかどうかなんて、今すぐにわかることじゃねえ。

さんざん歌ったなんて言えたことかと大野が声を荒げる。



もう、誰のために何をどう歌ったらいいかわかんねぇんですよ!!コージも涙声で反論する。


コージは世の中とっくりかえしたくて青森から出てきて、自分のために歌うんじゃなくいつのまにか誰かのために歌うことばかり考えてたんだなって。教えを吸収して歌は誰かに届けるものだって。前よりずっと歌を大事にできたんだなあって嬉しくなる反面、わからないって言うのは完全には諦めてなくて足掻いてるんだって伝わってきて苦しくなる。


そんなコージくんにぴったりの歌がある、と下手階段から登場するのが北野波平。


ざわつくみれん横丁のみんな。

北野波平じゃねえか!?ザワ


ああ失礼、サングラスをかけていては誰かわかりませんね。

北野波平だよな!?ザワ


私、北野

波平だぁ~!!!駆け寄る横丁のみなさん


いや茶番挟むのうますぎるし横丁のみなさんタイミングが抜群すぎるから成立するんだけど、しんどい中にコミカルさが途絶えないの秀逸。


オキナワが閉じ込められた北野邸でホウキを持ちながら作った歌。


この歌が否定されたら俺の全てが否定されるような、そんな歌をかいた。頼むから見る前から否定しないでくれよって訴えるオキナワが真摯で必死な目を見せるこの瞬間、きっと全員がオキナワを信じたくなる。


コージはデビューもオキナワもテレサもなくして、

自分だけになったのに自分のことさえ重荷に感じてんだ。まだ何か背負うなんておっかねえんだ

って泣きながら叫ぶ。

勘弁してけろ

って消え入るように泣きながらオキナワに土下座する。


全部欲しがったはずのあのコージが、全部捨てたのに上手くいかなくて、もう何も持ちたくないって。切なくて切なくて。本当は大事なもの手放して万人ウケしようと自分を変えた時点でコージがみんなを惹きつける力は失ってたと思うんだけど、コージらしさを発揮して助けようとしたいくよちゃんとのデビューが潰れた。戊亥さんにも顔向けできなくなった。だからもう何も持ちたくないって。背負うことしか考えてないコージがあんまりにも不器用で、もういい、とかやらない、じゃなくて"おっかねえ"って言うコージが愚直で切ない。おっかねえ、ってことはオキナワの作った歌と乗せた気持ちがとっても大切なものだって直感でわかってるから、また自分が潰したくないってことだよね。


(あとね、オキナワが もう吐いたゲロだ って言うの。吐いた唾よう飲みませんわ の破門 横山さんを思い出したから、覚悟のこもった一途な心持ちの人からしか出ない言葉だなって。余計にオキナワの本気伝わってきた。)




あんなに立ちたかったステージに、俺が必死に取ってきた枠だぞ、穴埋めだって戊亥さんに言われて罪滅ぼしのために立つコージ。

リハも曲も尺も適当。いくよちゃんをバラエティに出してもらうためにプロデューサーにゴマする戊亥さんが、せいぜいみなさんにご迷惑かけないようにな、って残して去っていく。チャンスくれたんだよ、コージがどんな形であれいくよちゃんのアイドル魂を大事に思って郁代ちゃんを助けようとしたこと戊亥さんは評価して、まだ魂の火種が残ってるってステージに上げてくれたんだよ、って思ったのに。コージはハイって情けない笑顔と声で答えてさっと背中を向けて下がる。


ここが寂しげな情けない笑顔なのポイントだと思うんだなただ落ち込んだような顔とか不満そうな顔だったら、コージしっかりせんかああ!ってこっちがコージにイライラしちゃいそう。この顔みせるからこそ、コージの戊亥さんに対する罪滅ぼしの気持ちとか歌に対する未練とかまた歌うおっかなさを感じられて、見守る手に力が入る。演出だとしても安田章大の芝居だとしてもやばい。



プラギャラファンの野次の中、星影のワルツをぼそぼそ歌うコージ。すぐ終わりますから、カラオケテープの1番目の曲。なんっっっだその自己紹介は!!!!ってモヤモヤした気持ちで見てると、オキナワが下手の扉から入ってくる。

おい!コージもういっかい歌え!!

思わずステージに上がるオキナワ。

(実際に客席から板の上に上がる。演出最高)

俺もっと歌えるの知ってるからさ!!


背中を向けるけど振り返ってマイクでオキナワにもういいと一言残し去ろうとするコージに

待って!!

あの声。

ウクライナに帰る前最後の時間、

なんであたしらなんだよあの男だろ!?

ってマリアンはいつだって泣かせる。みんなでテレサのこと連れてきてくれた。チラシみつけてまた人肌であっためてくれてた橋本さんありがとうすぎる


野次に

ちょっと静かにしてけろ!!!

って涙浮かべて叫ぶコージ。

"やっぱり出るのな声~テレサのことになると"

ねえ、オキナワ。



あの声に反応して顔つきが変わるコージ。

テレサ!?まだ日本にいたんだべか


なぜか橋本さんが答える。

そー!でもこれから強制送還で成田に行く途中ー!

橋本さんほんと最高。


いつもコージの歌が頭の中で流れてました

って言うテレサ

いつもいつも、いつもいつもいつもだってさ!!

2人を支えようとするマリアン本当に毎回泣かせる

オラの歌が頭の中で

コージの頭にも、みんなの頭にもきっと、大野の言葉が浮かぶ。


でもさっきの歌、良くなかったね

いつも流れてた歌はあんなじゃなかったよ

必死に伝えようとするテレサ


テレサ!全部言えよ!ってオキナワが背中押す。コージの背中もそうやって押してくれてたよね。


でもなんて言ったらいいかわからないって言うテレサに、プラギャラファンの野次が復活する。


突然北国の春歌い始めるテレサ

声量にも、テレサの魂にも、何かをたぐろうとする姿にも、あの場の全員が息を呑む。


それでも言葉にならなくて、

あー!!叫びながらコージに手を伸ばすテレサ

応えるように返すコージ。


言葉にこそなってないけど、2人のあの叫びは歌だったよ。頭になのか心になのか、こびりついて離れないから。表情も涙も声も。


ポツリと話し出すテレサ

今わかりました

コージの歌に足りなかったのは私。私です。

コージに迷惑かけたくなくて

私は私を頑張ろうって思ったりもしたけど

じゃあ私って何って思ったりもして

コージには私が必要で

私にはコージが必要


(セリフは着実に追いたい派だけど叫ぶところから泣きすぎてちゃんと覚えてない)


オキナワ!?

目を見開いてポケットからぐちゃぐちゃのあの楽譜を出すコージ。

この歌テレサ2人で作ったんだべか!?


オキナワも驚いた顔で

いや、俺1人で作った。


意を決したコージ。

下を向いてるけど、床に声を叩きつけるように呼ぶ。

オキナワ!!!


おう、

コージに近づきやってやろうぜとギターを構えるオキナワ。


1人でやらせてほしいとまっすぐオキナワの目を見るコージ。


雷の音がして、雨雲が近づいてるのを知らせてくる。


一瞬止まるけど、フッと笑って

安もんだ、濡らしていいぜ 

とギターを貸してくれるオキナワ。


コージの目に火が戻った。

ギターをかりて、ぐちゃぐちゃの楽譜をマイクスタンドに貼り付けて、野次の中

もう1曲歌わせてけろ!!


テレサが登場してからコージは苦しい顔、泣く顔、テレサと想いを共有したいのに2人とも言葉が出ないもどかしい顔、切ない顔、表情だけじゃなく仕草と声色まで全てくるくる変わる。これって器用なんじゃなくてコージとして生きてるから溢れ出すんだよねきっと。オキナワ!って叫んでから、目にも表情にも火が宿って全身からあのコージの熱が戻ったことが感じられる。すごいよ。



あとはもう。

土砂降りの中歌い出す俺節

自分がどんな感情なのかもわからなくて、勝手に歌い出しから涙が出る。鳥肌がたつ。何回聴いても、いつも。その前から泣いてるのに、ここで一気にまた涙が出る。

演出どころの騒ぎじゃないんだ、すごい量の雨が土砂降りでコージの上に降り注ぐんだよ。オキナワが後ろで見つめる顔が優しくてたまらない。



でも

すみません!時間です!!

テレサは連れていかれてしまう。

名前を呼ぶでも気持ちを伝えるでもなく、手だけをコージの方に伸ばしてテレサは去って行く。


コージはテレサの方を向くけど、

マイクに戻って最後の一節を力の限り歌い切る。


涙が止まる術をだれか教えてほしい。


テレサは俺とお前で俺だから、ってコージから聴けたことで、2人の想いはひとつたったつて受け止めることができたのかな。コージがテレサ、会いてえよって言ってたの、歌から聴こえたかな。コージの歌に魂が戻って安心したのかな。頭の中で流れてた歌に、コージに、もう一度出会えて嬉しかったかな。それでも帰らなきゃいけないの、どれだけ苦しかったかな。会うのはと言ってたのに、最後に会えて良かったのかな。


コージはテレサの元に駆け寄ってまた止めたり、名前を呼び続けたり、いつか迎えに行くって言ったり、途中までならどれもしそうな人だったね。お別れを受け入れることができたのかな。去って行くテレサを見つめる間、何を思ってましたか?うまく言葉にならなくて、やっと喉から出てきた、最後の最後に振り絞って歌い上げた俺節は、絶対テレサに届いてるよ。




翌日、新聞記事はプラギャラのことばかりで。

コージの記事が何でねえんだ!?

この新聞おかしくねえか!?

誰か別の新聞拾ってこいよ!!

俺たちだけでもお前の歌で震えたぜって言ってやろう

横丁のみんなも実はコージのステージ見に行ってくれてて。

昭和のあったかさってこういうこと?


みれん横丁のスターだー!

指差した先には

いいんだよ!ってスタスタ歩くオキナワと

だども~って てこてこ歩くコージ。

ばっちゃの背広を着てね。

うわあ~って駆け寄る横丁のみんな。

ここでもコージの背広めくって何か無いか探してる人とかいるし横丁のみなさんの芸は本当に細やか。

オキナワが顎でしゃくって手をひゅーいっとするのを見て、

まあいっかあと言わんばかりの柔らかい笑顔で新聞をポーイと後ろへ投げるコージ。


オキナワとコージが顔を見合わせ、

コージは右手を頭の後ろに当てて

オキナワは膝に手をついて

頭を下げる。


最高のラスト。


きっとまた2人でぶつかりながら挫折しながら、でも歌は捨てずに生きていくんだろうなって。明るくなった空と、少し活気が戻った横丁も、きっとそんな未来を後押ししてくれてんだ。






●セット、アドリブ


命くれないは左上のプロジェクションマッピングに歌詞が出てる。原作そのものって感じ。



・スナック?の壁のメニュー

    横丁ビール冷えて〼

    飲んでるビールのラベルも黄色地で横丁ビール




・カラオケに台頭されてく象徴的なシーン

   鳳仙花歌ってる間はちゃんと歌詞追うテロップが出るのに、終わったら画面がカラ俺になってる。




・出前取るよ!何にする?って聞かれたテレサが手を取りながら頼むのが麻婆豆腐盛り海ぶどう

   それに毎回中華だよ!蕎麦屋にあるかな!?とか、

また盛りそばかよ好きダネ~とか、

沖縄かよ!蕎麦屋にねえよ!とか、

アドリブで返すのすごいしほんとおもしろい。




・ビール飲むシーン


テレサが新しい仕事のこと、「今日もピクルスピクルスピクルスピクルスピクルスあと私の髪の毛!匂いを嗅いで!」って言うとコージが後ろに立ってて髪の匂いを嗅ぐ(とても顔が近い)


コージ「ピクルスぅ!?」って髪に匂いがうつるほどお仕事頑張ったんだ報告するテレサに「大丈夫気になんねえよ♡」だったり「大丈夫、良い匂いだよ♡」だったり、とにかくテレサに甘い。



コージ!コージコージコージ!って部屋にビール取りに行くテレサはうちわでコージをぺしぺししたり、手で肩をチョンと触ったり、すっごくかわいい!


   コージもコージでいっぱい(名前)呼ばれたあ~♡(首コテン)とか、楽しみにソワソワしてるだけとか、毎回変わってて超かわいい。むり。


   ジャーーーーン!ってビールを2本出してきて

2人で「かんぺー♡」するんだけど、

オキナワが「あ~飲みたかったんだよ」的な返事をしながら2人だけで飲んでるところを見つめる顔と温度感が最高なんだ。毎回オキナワがバッチリすぎるんだ。

あっっ!ってやすだくんが首を前屈させながら口元拭う仕草がすごくコージ。

テレサが「オキナワも飲むか!?」って差し出すんだけど、

「いーよいーよどーせ2本しかないんだろ!?」って言うから

コージが「オラ達は」テレサと「2人で1本でいーすぃ」とことんラブラブ。

オキナワが受け取って飲むんだけど、

テレサ「先にどうぞ」

コージ「テレサが先にどうぞ♡」とか、

テレサが飲むところ見た~い♡」とか、とにかくラブラブ。

「俺やっぱ外で飲んでくるわ!!」ってつっこむオキナワのタイミングと表情と声色がほんと最高なんだ~~~!


・プラギャラファンの上手の人が、雨降るなんてヤン坊マー坊言ってなかったわよね!?って毎回言ってたんだけどあれって福原さんもしくはあの演者さんの心意気なの?何なの?ありがとう!!!




だって3時間半全てが最高だから、

まだまだ全然足りないし、

こんなんじゃ観てない人に伝わんない。

安田章大を観に行ったはずなのに、演者さんキャラクターみれん横丁、俺節カンパニー丸ごとの大ファンになって帰ってくるの、幸せの極みじゃない?

もう台本がほしい。

円盤がほしい。

カバーアルバムがほしい。

サントラがほしい。

TBSさん、よろしくお願い申し上げます!!!!!